■表紙の人

紫舟さん
書家(東京都)

紫舟さんは書家である。

けれど、伝統的な書の世界とは異なる道を模索してきた。

それは、つねに「自分が求めているもの」に真摯であろうとする紫舟さんの

生き方そのものだ。

「書には、美術品としての要素と、

文字を表わす表現手段としての要素があると思う。

私は後者の可能性を信じて書き続ける」

これは紫舟さんのホームページの彼女自身のコメントだ。


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■表紙の人

宮城県伊達藩鋳物師22代 江田 嘉茂左衛門
江田 けいさん (※けいの字は惠に草かんむり)
(宮城県登米市)


ざらりとした質感。裾の方には虫が食ったような穴が空いている。

ところが風に揺れると、思わず聴き惚れる澄んだまろやかな音…。

220年余りもの昔にあみだされたこの風鈴の製法は、

代々伊達家御用鋳物師を務めてきた江田家に

・・・・一子相伝・・・・で伝わる秘法。

風鈴は100%鉄、それも砂鉄でできた“和鉄”製だ。


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■表紙の人

村松二六さん
丸子紅茶製造(静岡市丸子)

茶畑のウネとくるくる回る霜よけのプロペラ…静岡独特の風景だ。

国産紅茶の話は、明治時代にさかのぼる。

明治維新後、新政府の命を請け、国産紅茶を新しい輸出産業にすべく、

中国やインドへの大調査旅行に派遣された人物がいた。

多田元吉。

丸子で、徳川家より払い下げの山林を切り開き、

優れた緑茶の製茶技術を確立した経歴が買われた。

ところが、帰国後、精魂を傾けて国産紅茶を作りあげたが、

インドの大規模な茶園に品質や価格競争で太刀打ちできず、

やがて国産紅茶の夢は忘れられていった。


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